投稿者: m23den

  • 【結論ファーストで伝わる】PREP法とは?わかりやすい説明で成果を出すビジネス活用術

    「結論から話して」と上司に言われてしまう…
    「話がまとまらない」と悩んでしまう…
    「伝えたいことがうまく伝わらない」と感じてしまう…

    あなたは、このような悩みをお持ちではありませんか?
    これらの悩みは、PREP法というフレームワークを使うだけで、簡単に解決できます。

    本記事では、セールスイネーブルメントのコンサルティングに10年以上携わり、100件以上のコンサルティング案件を成功に導いてきた筆者が、PREP法の基本から実践的な活用方法まで徹底解説します。

    ■この記事を読むと得られること

    1. PREP法の基本的な使い方とメリット・デメリットがわかる
    2. プレゼンや報告など、ビジネスシーンごとの具体的な活用方法がわかる
    3. PREP法と他のフレームワークとの違いや使い分けがわかる

    この記事を最後まで読めば、あなたの話は驚くほどわかりやすくなり、相手に「伝わる」コミュニケーションが実現できます。ぜひ最後までお読みください。

    1.PREP法とは?基本をわかりやすく解説

    PREP法は、ビジネスにおけるコミュニケーションで最も重要視されるフレームワークの一つです。特に、結論から先に伝えることで、相手に最も伝えたいことを瞬時に理解してもらうための強力なツールとなります。このセクションでは、PREP法の基本的な考え方とその効果について、わかりやすく解説していきます。


    PREP法とは「結論→理由→具体例→結論」のフレームワーク

    PREP法は、話や文章を構成する際の型の一つで、以下の4つの要素で構成されています。

    1. Point(結論): 最初に最も伝えたい結論を述べます。

    2. Reason(理由): その結論に至った理由や根拠を説明します。

    3. Example(具体例): 理由を補強する具体的な事例やデータを提示します。

    4. Point(結論): 最後にもう一度、最初の結論を繰り返して締めくくります。

    この構成の最大の利点は、相手が話の全体像をすぐに把握できる点にあります。結論を最初に聞くことで、その後の理由や具体例が結論を補強するための情報だと理解しやすくなるため、話が非常に伝わりやすくなります。

    例えば、あなたが上司に業務改善を提案する場面を想像してみてください。まず、「業務効率化のため、新しいツールを導入すべきです」と結論から切り出すことで、上司は「ああ、ツールの話だな」とすぐに理解できます。その後、その理由や成功事例、そして最終的な結論を再度伝えることで、あなたの提案はより論理的で説得力のあるものになります。

    PREP法は、説得力のある説明が求められるビジネスシーンでは欠かせないスキルです。この型を意識することで、あなたの話は劇的にわかりやすくなり、相手の納得感も高まるでしょう。


    相手に伝わる説明ができない人が抱える悩み

    「自分の話がうまく伝わらない」「結局何が言いたいのかわからない」と言われた経験はありませんか? これは、多くのビジネスパーソンが抱える共通の悩みです。

    伝わらない説明には、いくつかの共通した特徴があります。

    話が冗長で要点が不明瞭

    結論を先に言わず、背景や経緯から話し始めることが多いです。これでは相手は話のゴールが見えず、どこが重要なポイントなのかを判断できません。その結果、「結局何が言いたいの?」と聞かれてしまい、話がこじれる原因になります。

    論理的なつながりが弱い

    話している途中で話題が脱線したり、理由と具体例が混ざってしまったりすることがあります。これでは、相手は話の筋道を追うことができず、理解に苦しみます。結果として、話の説得力が失われ、せっかくの良い提案も採用されない可能性があります。

    結論がぼやけている

    最後のまとめがない、もしくは結論が曖昧なために、話を聞いた相手が「結局、どうすればいいの?」と迷ってしまうことがあります。これは、特に具体的な行動を促したい場合に致命的です。

    これらの問題は、話す側が自分の頭の中で考えを整理しきれていないことが原因で起こります。PREP法は、このような問題を解決するための、非常に効果的な思考の整理ツールでもあるのです。


    PREP法が解決できること

    PREP法を習得すると、これまで抱えていた「伝わらない」という悩みを根本から解決することができます。

    PREP法が解決できることは、主に以下の3つです。

    • 話のゴールが明確になる: 結論から話し始めることで、相手は「何についての話か」を瞬時に理解できます。これにより、集中して話を聞いてもらうことができます。
    • 論理的で説得力のある説明ができる: 「結論→理由→具体例」という流れは、非常に論理的です。あなたの意見が単なる思いつきではなく、しっかりとした根拠に基づいていることを示すことができます。
    • コミュニケーションの時間を短縮できる: 要点を簡潔に伝えられるため、無駄なやり取りが減り、コミュニケーションがスムーズに進みます。これは、忙しいビジネスの現場で非常に重要なことです。

    たとえば、経済産業省が発表した「平成29年版情報通信白書」によると、情報伝達能力の重要性はますます高まっています。現代社会では日々膨大な情報が行き交っており、その中で自分の意見を正確かつ簡潔に伝えるスキルは、個人の能力だけでなく、組織全体の生産性にも直結します。PREP法は、この情報伝達能力を飛躍的に向上させるための、最も基本的な土台となる技術なのです。

    以下に、PREP法を意識した話と、そうでない話の例を示します。それぞれの違いを比較することで、PREP法の効果をより深く理解できるでしょう。

    PREP法を意識しない話の例

    「先週から新しいプロジェクトで進めているA企画の件ですが、実は先週、B社の担当者と打ち合わせをしたんです。その際に、C社の成功事例について話を聞く機会がありまして。C社は最近、うちと同じようなサービスを新しいターゲット層に展開していて、それがすごくうまくいっているそうなんです。なので、うちのA企画も、C社のようにターゲット層を少し広げてみるのはどうかな、と思いまして…。」

    この話は、結論が最後に置かれているため、聞いている側は「結局、何が言いたいの?」と感じてしまいます。話のゴールが明確ではないため、途中で飽きてしまったり、論点がずれてしまったりする可能性があります。

    PREP法を意識した話の例

    「A企画のターゲット層を広げることを提案します(Point:結論)。なぜなら、競合であるC社の成功事例から、新たなターゲット層への展開に大きなビジネスチャンスがあることがわかったからです(Reason:理由)。具体的には、C社はこれまでアプローチしていなかった20代女性層に特化したSNSキャンペーンを展開した結果、売上が前期比150%増を達成しています(Example:具体例)。この成功事例を参考に、我々もターゲット層を広げることで、A企画の成功確率をさらに高められると考えます(Point:結論)。」

    この例では、まず「ターゲット層を広げる」という結論が最初に提示されているため、聞く側は話の全体像をすぐに理解できます。その後、具体的な理由や事例が続くことで、提案に説得力が生まれ、最終的な結論で再び要点を押さえることで、話全体が非常にすっきりとまとまっています。

    このように、PREP法はあなたのコミュニケーションを劇的に改善し、ビジネスにおける説得力と成果を高めるための強力な武器となります。

    2.PREP法を活用する3つのメリットと2つのデメリット

    PREP法が「結論から話す」ための型であることはご理解いただけたかと思います。このセクションでは、PREP法を実際に使うことで得られる具体的なメリットと、注意すべきデメリットについて詳しく見ていきましょう。


    メリット

    PREP法を使うことで、あなたの話は劇的にわかりやすくなります。その結果、ビジネスシーンにおいて、以下のような3つの大きなメリットを享受できます。

    説得力のある伝え方ができる

    PREP法は、あなたの意見や提案に説得力をもたらします。なぜなら、単なる意見の表明ではなく、結論(Point)理由(Reason)具体例(Example)という3つの要素が組み合わさることで、論理的な根拠が明確になるからです。相手は「なぜそう思うのか?」や「本当にそうなのか?」といった疑問を抱く前に、あなたの話の筋道をスムーズに理解できます。

    例えば、あなたが新しい営業ツールを導入したいと考え、上司に提案するとします。このとき、単に「このツールを導入したいです」と言うだけでは、上司は「なぜ?」「費用対効果は?」といった疑問を持ちます。しかし、PREP法を使って「このツールを導入すべきです(結論)。なぜなら、営業チームの生産性を20%向上させられるからです(理由)。現に、このツールを導入した他社では、顧客対応時間が平均30%削減され、その結果、成約件数が大幅に増加しました(具体例)。以上のことから、このツールの導入を強く推奨します(結論)。」と話せば、上司は納得しやすくなります。この論理的な構成が、あなたの提案を強力に後押ししてくれるのです。

    内閣府が公開している「国民生活に関する世論調査」でも、情報や意見を伝える際に「わかりやすさ」や「説得力」が重視されていることが示唆されています。PREP法は、まさにこの「説得力」を高めるための効果的な手段と言えるでしょう。

    短時間で要点を伝えられる

    ビジネスの現場では、時間は非常に貴重です。上司への報告や取引先との商談など、限られた時間の中で要点を的確に伝えることが求められます。PREP法は、まさにこのニーズに応えるためのフレームワークです。

    結論を最初に持ってくることで、相手は「この話のゴールは何か」をすぐに理解できます。これにより、相手はあなたの話に集中しやすくなり、聞く側の理解スピードも向上します。冗長な前置きや回りくどい説明を省けるため、コミュニケーションにかかる時間を大幅に短縮できます。

    たとえば、忙しい上司に今日の営業活動の進捗を報告するとします。PREP法を使えば、「本日、新規顧客A社との契約が決定しました(結論)。提案内容がA社の課題解決に直結すると評価されたためです(理由)。具体的には、当社のサービスがコスト削減にどれだけ貢献するかを数値で示したことが決め手となりました(具体例)。これにより、今月の目標達成が確実となりました(結論)。」のように、簡潔かつ明確に報告できます。この報告であれば、上司は瞬時に状況を把握できるため、「で、結局どうなったんだ?」といった無駄なやり取りを減らすことができます。

    考えを整理する習慣が身につく

    PREP法は、話すための技術であると同時に、思考を整理するためのツールでもあります。PREP法に沿って話そうとすると、自然と「まず、何を結論とするか」「その結論を裏付ける理由は何か」「具体的な事例はあるか」といったことを考えるようになります。

    この習慣が身につくと、何かを話す前や文章を書く前に、自分の頭の中で情報を整理できるようになります。これにより、論理が飛躍した話や、要点の定まらない話をすることが減り、常に筋道の通ったコミュニケーションができるようになります。これは、会議での発言やメール作成、企画書の作成など、あらゆるビジネスシーンで役立つスキルです。

    思考が整理されていると、不意な質問にも冷静に対応できるようになります。例えば、「なぜそう考えるんですか?」と聞かれたときに、頭の中でPREP法が構築されていれば、すぐに理由や具体例を付け加えて、説得力のある回答を返すことができるでしょう。


    デメリット

    PREP法は非常に強力なフレームワークですが、万能ではありません。使う場面や使い方を間違えると、かえって逆効果になってしまうこともあります。ここでは、PREP法の2つのデメリットとその対処法について解説します。

    機械的な印象を与えかねない

    PREP法を過度に意識しすぎると、話が定型的で機械的になりがちです。「結論」「理由」「具体例」「結論」という型にはまりすぎると、まるでロボットが話しているかのような印象を与えてしまう可能性があります。特に、相手との関係性を築きたい場面や、共感を呼び起こしたい場面では注意が必要です。

    【対処法】
    PREP法はあくまで骨組みと捉え、状況に応じて柔軟にアレンジしましょう。例えば、以下のような工夫が考えられます。

    • 感情や熱意を乗せる: 結論や具体例を話す際に、自分の感情や熱意を言葉に乗せることで、人間味のあるコミュニケーションになります。
    • ストーリーテリングと組み合わせる: プレゼンテーションなどでは、PREP法を使いつつも、具体的な事例を物語のように語ることで、聞き手の興味を引きつけやすくなります。
    • 聞く姿勢を大切にする: 相手の意見や反応を適度に挟むことで、一方的な説明になるのを防ぎ、双方向のコミュニケーションを心がけましょう。

    感情やストーリーを伝えにくい

    PREP法は論理的に情報を伝えることに特化しているため、相手の感情に訴えかけたり、感動的なストーリーを伝えたりする場面にはあまり向いていません。例えば、ブランドの理念を語ったり、製品開発の背景にある情熱を伝えたりするような場面では、PREP法以外のフレームワーク(例えば、SDS法など)が効果的な場合があります。

    【対処法】
    PREP法だけで完結させるのではなく、他のフレームワークと組み合わせることを検討しましょう。例えば、以下のような使い分けが効果的です。

    • PREP法とストーリーテリングの組み合わせ: まずPREP法で結論を簡潔に伝え、その後に具体的な「成功事例」や「苦労話」をストーリーとして語ることで、論理と感情の両方に訴えかけることができます。
    • SDS法との使い分け: SDS法は「Summary(要約)→Details(詳細)→Summary(要約)」という構成で、特に商品の概要やニュースをわかりやすく伝えるのに適しています。相手がまだ情報を持っていない場合や、全体像を把握してほしい場合に有効です。

    このように、PREP法は万能ではありませんが、その特性を理解し、他のフレームワークと使い分けることで、あらゆるコミュニケーションを最適化することができます。まずはPREP法をしっかり身につけ、その後で他のフレームワークを学ぶことで、あなたのコミュニケーションスキルは格段に向上するでしょう。

    慣れるための練習が必要

    PREP法は、すぐに完璧に使いこなせるようになるわけではありません。特に、普段から結論を後回しにしてしまう癖がある人は、意識的に練習を重ねる必要があります。

    最初は、「この話の結論はなんだろう?」と考えるのに時間がかかったり、理由と具体例がうまく結びつかなかったりするかもしれません。しかし、これは誰にでも起こることです。自転車に乗る練習と同じで、何度も繰り返すことで、自然と体がPREP法の型を覚えるようになります。

    【対処法】
    日常生活の小さなことからPREP法を試してみましょう。例えば、「今日の夕食を何にするか」を家族に伝えるときや、「週末の予定」を友人に話すときなど、身近なテーマで練習を重ねるのがおすすめです。また、同僚や上司にフィードバックをもらうことも有効です。客観的な意見を取り入れることで、自分の改善点が見えやすくなります。

    次のセクションでは、具体的なビジネスシーンにおけるPREP法の活用例を、例文を交えて解説していきます。ぜひ、ご自身の仕事に当てはめて読んでみてください。

     

    3.【活用例】PREP法を応用したビジネスシーン別の例文

    PREP法のメリットとデメリットを理解したところで、次は具体的なビジネスシーンでの活用方法を見ていきましょう。PREP法は、口頭でのコミュニケーションだけでなく、文章を書く際にも非常に役立ちます。ここでは、よくある4つのシーンでの具体的な例文を交えながら解説します。


    報告や相談をするとき

    上司への報告や同僚への相談は、ビジネスにおいて毎日発生するコミュニケーションです。PREP法を使うことで、状況を簡潔に、かつ正確に伝えることができます。これにより、相手はすぐに本質を理解し、的確な指示やアドバイスを返してくれます。

    <例文:上司への営業進捗報告>

    PREP法の要素 例文
    Point(結論) 山田商事様との契約が、来週に延期になりました。
    Reason(理由) 先方の担当者が、決裁者との最終調整に時間が必要になったためです。
    Example(具体例) 本日午前に担当者様と電話で話した際、「社内承認のプロセスに時間がかかっている」とのご報告を受けました。契約書の内容自体には問題ないとのことです。
    Point(結論) そのため、契約は来週火曜日に改めて伺うことになりました。

    このようにPREP法を用いることで、上司は「契約が延期になった」という結論を最初に把握し、その後の理由や状況をスムーズに理解できます。もし結論から話さずに経緯から説明を始めると、「結局、契約はどうなったの?」と聞き返されてしまい、二度手間になる可能性があります。


    プレゼン・提案を行うとき

    プレゼンテーションや提案は、PREP法が最も力を発揮する場面の一つです。聞き手は、あなたの話のどこが重要なのかを常に探しています。PREP法で構成されたプレゼンは、結論が明確で論理的なため、聞き手の理解度と納得度を飛躍的に高めます。

    <例文:社内での業務効率化ツール導入提案>

    PREP法の要素 例文
    Point(結論) 私は、営業チーム全体の業務効率化のために、新しい顧客管理ツール「CRMクラウド」の導入を提案します。
    Reason(理由) 現在の顧客管理方法では、情報共有に時間がかかり、顧客対応が遅れるという問題が発生しているからです。
    Example(具体例) 先月実施した社内アンケートでは、「顧客情報の検索に1日あたり平均15分かかっている」という回答が多数ありました。CRMクラウドを導入すれば、この検索時間を5分に短縮でき、チーム全体の生産性を約20%向上させることができます。他部署の事例では、すでに同様のツール導入で残業時間が月間10時間削減された実績もあります。
    Point(結論) 以上より、このツールを導入することで、チーム全体の生産性を向上させ、より多くの顧客に迅速に対応できるようになります。ぜひ、導入をご検討ください。

    この構成で話すことで、聞き手は「なぜこのツールが必要なのか」「導入することでどんなメリットがあるのか」を明確に理解できます。特に、具体的な数値(15分→5分に短縮、生産性20%向上)を盛り込むことで、提案の説得力が格段に増します。


    面接で志望動機を伝えるとき

    PREP法は、就職活動や転職活動の面接でも強力な武器となります。志望動機や自己PRを話す際、結論から先に伝えることで、採用担当者に「この人は自分の考えをしっかり持っているな」という良い印象を与えることができます。

    <例文:面接での志望動機>

    PREP法の要素 例文
    Point(結論) 私が御社を志望した理由は、御社の「顧客第一」という企業理念に深く共感したからです。
    Reason(理由) 前職でカスタマーサポートを経験し、お客様一人ひとりに寄り添うことの重要性を痛感しました。御社のサービスは、お客様の声を真摯に受け止め、製品改善に活かしている点に魅力を感じています。
    Example(具体例) 御社のウェブサイトに掲載されている、お客様からの感謝の声や、それを基にした新機能の追加事例を拝見しました。特に、○○様の「こんな機能があったら嬉しい」という意見から、実際に新機能が開発されたという記事に感銘を受けました。私も前職で、お客様の声をヒアリングして業務改善に繋げた経験があります。
    Point(結論) このような経験と共感を活かし、御社の一員として、お客様に最高のサービスを提供していきたいと考えております。

    この構成で話すと、採用担当者はあなたの志望動機を深く理解できます。特に、具体的なエピソードを交えることで、あなたの熱意と説得力が増し、他の応募者との差別化を図ることができます。


    ライティングを行うとき

    PREP法は、メールやビジネス文書、ブログ記事など、文章を作成する際にも非常に有効です。読み手は、膨大な情報の中から必要な情報を素早く見つけたいと考えています。PREP法で構成された文章は、読み手の負担を減らし、理解を助けます。

    <例文:顧客への提案メール>

    PREP法の要素 例文
    Point(結論) 新製品〇〇のご提案です。
    Reason(理由) 御社が現在抱えていらっしゃる「コスト削減」という課題を解決できると考えたからです。
    Example(具体例) 新製品〇〇は、既存製品と比較してランニングコストを30%削減できます。実際に、すでに導入されたB社様では、年間で約500万円のコスト削減に成功しています。
    Point(結論) つきましては、ぜひ一度、詳細についてオンラインでご説明させていただく機会をいただけないでしょうか。

    このように、メールの冒頭で結論を明確にすることで、読み手はメールの目的をすぐに理解できます。また、具体的な数値や他社の成功事例を示すことで、提案に説得力を持たせることができます。これにより、相手からの返信率やアポイントメント獲得率を高めることが期待できます。

    PREP法は、このようにあらゆるビジネスシーンで応用が可能です。まずは、日々のコミュニケーションからPREP法を意識して使ってみることをお勧めします。

     

    4.PREP法の効果を高めるコツ

    PREP法をビジネスシーンで活用する方法について、イメージは掴めましたか? ここでは、さらにPREP法の効果を高め、あなたのコミュニケーションをより円滑にするための3つのコツをご紹介します。これらのコツを実践することで、PREP法を単なる型としてではなく、あなたの強力な武器として使いこなせるようになります。


    聞き手の知識レベルを理解する

    PREP法は結論から話すことで非常にわかりやすくなりますが、それは相手が話の内容をある程度理解できる前提があってこそです。もし相手がその分野について全く知識を持たない場合、いきなり結論を話しても「?」となってしまい、かえって混乱させてしまう可能性があります。

    たとえば、ITに詳しくない上司に最新のITツールの導入を提案する場合を考えてみましょう。結論として「AIを活用した業務自動化ツールを導入すべきです」と話しても、「AIって何?」「自動化ってどういうこと?」と疑問を持たれてしまい、本題に入る前に話が止まってしまうかもしれません。

    このような場合は、PREP法の前に簡単な導入説明を入れるなど、少し工夫が必要です。

    • (導入)「本日は、最新の技術動向を踏まえた業務効率化のご提案です。特に、AIという技術が注目されており、私たちの業務にも活用できる可能性があります。」
    • (P)「そこで、AIを活用した業務自動化ツールを導入すべきだと考えます。」
    • (R)「なぜなら…」

    このように、聞き手の知識レベルに合わせて、話の入り口を調整することが大切です。相手がどの程度の情報を持っているかを事前にリサーチし、最も効果的な伝え方を選びましょう。相手への配慮を示すことで、信頼関係も築きやすくなります。


    テキストは最小限に抑え、ビジュアルを活用する

    プレゼンテーションや会議の資料では、PREP法に沿って論理的な構成を作ることに加え、見た目のわかりやすさも非常に重要です。文字ばかりのスライドは、読み手が内容を理解するのに時間がかかり、飽きてしまう原因にもなります。

    たとえば、プレゼンのスライドでは、以下の点を意識してみてください。

    • 結論(Point):スライドの冒頭に、大きく一言でまとめます。
    • 理由(Reason):箇条書きで簡潔にまとめ、文字数を減らします。
    • 具体例(Example):グラフや図、画像などを積極的に使います。文字だけでは伝わりにくい「変化」や「結果」を視覚的に表現することで、説得力が格段に向上します。

    総務省の「情報通信白書」でも、ビジュアル情報の重要性が指摘されています。人は文章よりも視覚的な情報から多くのことを素早く、直感的に理解します。グラフや図解は、PREP法の「具体例」を補強する上で、非常に効果的な手段です。特に、数値データや比較結果は、グラフにすることで一目で理解できるようになります。

    以下に、ビジュアルを活用したPREP法の例を示します。

    <プレゼン資料でのビジュアル活用例>

    スライド1:結論(Point)
    【2025年までに営業生産性を30%向上させます】

    スライド2:理由(Reason)
    【課題:現在の顧客対応フローに多くの無駄が発生】
    現在のフローでは、顧客情報の検索や入力に多くの時間がかかっています。

    スライド3:具体例(Example)
    (ここに、現在の顧客対応時間と改善後の予想時間を比較した棒グラフを挿入)
    (グラフの下に、「顧客管理ツールの導入により、1件あたりの対応時間が平均20分短縮」と簡潔に記載)

    スライド4:結論(Point)
    【結論:新ツール導入で生産性30%向上を実現】
    以上のことから、新ツール導入は不可欠です。

    このように、文字情報を最小限に抑え、ビジュアルで補足することで、聞き手はあなたの話をよりスムーズに理解し、記憶に残りやすくなります。


    構成に沿って話す練習をする

    PREP法を頭で理解するだけでは、実践で使いこなすことは難しいです。特に緊張する場面では、普段の話し方に戻ってしまいがちです。PREP法を自然に使えるようになるためには、日々の継続的な練習が欠かせません。

    効果的な練習方法としては、以下のようなものがあります。

    1. ひとりプレゼン

    日常生活でPREP法を意識して「ひとりプレゼン」をしてみましょう。例えば、今日のニュースを読んで、その内容を「P(結論)」「R(理由)」「E(具体例)」「P(結論)」の順番で声に出して説明してみる、といった練習です。これを繰り返すことで、自然とPREP法の型で話せるようになります。

    2. 録音・録画で振り返り

    自分の話を録音したり、スマホで録画したりして、後から見返すのも効果的です。自分の話に論理の飛躍がないか、結論が明確になっているかなどを客観的にチェックできます。特に「〜えーっと」や「〜あのー」といった口癖にも気づきやすくなり、改善に繋がります。

    3. 短い文章で練習

    メールやチャットなど、短い文章を作成する際にもPREP法を意識してみましょう。「結論は何か?」「なぜそうなのか?」と自問自答しながら書くことで、簡潔かつ説得力のある文章を書くトレーニングになります。

    PREP法は、一度身につけてしまえば、一生もののスキルになります。最初は意識して使うのが難しいかもしれませんが、継続して練習することで、いつの間にか無意識に使えるようになり、あなたのコミュニケーション能力を飛躍的に向上させてくれるでしょう。

     

    5.PREP法と合わせて知っておきたい他のフレームワーク

    PREP法はビジネスシーンにおいて非常に有効なフレームワークですが、世の中にはPREP法以外にも、目的や状況に応じて使い分けることで、より効果的なコミュニケーションを実現できるフレームワークがいくつか存在します。ここでは、特にPREP法と混同されやすい「SDS法」と「DESC法」について、その違いと使い分けを解説します。


    SDS法との違いと使い分け

    SDS法は「Summary(要約)→Details(詳細)→Summary(要約)」の頭文字を取ったフレームワークです。これは、ニュースや報告など、聞き手に全体像を最初に理解してもらい、後から詳細を補足したい場合に非常に適しています。

    PREP法が「相手に納得・行動してもらうこと」を目的としているのに対し、SDS法は「情報を正確に伝えること」に重点を置いています。PREP法では「結論(P)」と「理由(R)」が核となりますが、SDS法では「要約(S)」が中心です。

    それぞれの使い分けは、以下の通りです。

    • PREP法説得や提案をしたいとき。結論と根拠を明確に示し、相手に「なるほど、それなら賛成しよう」と思ってもらいたい場合に適しています。
    • SDS法事実や概要を伝えたいとき。会議の冒頭で議題の全体像を説明したり、プロジェクトの進捗状況を簡潔に報告したりする際に有効です。

    たとえば、ニュース番組ではSDS法が頻繁に使われています。まず「〇〇で事故が発生しました」という要約を伝え、その後に事故の詳細な状況や原因を説明し、最後に「この事故を受けて、〇〇省は対策を検討する方針です」と再度要約で締めくくります。これにより、視聴者は短時間でニュースの全体像を把握できるのです。

    PREP法とSDS法の使い分けを理解することで、あなたは状況に応じて最適なコミュニケーション手法を選択できるようになります。これにより、情報伝達の精度が上がり、無駄なやり取りを減らすことができるでしょう。


    DESC法との違いと使い分け

    DESC法は、主に自分の意見や要求を相手に伝えるためのフレームワークです。「Describe(描写)→Express(表現)→Suggest(提案)→Consequences(結果)」の頭文字を取っています。PREP法が「論理的に説明する」ためのツールであるのに対し、DESC法は「相手との関係性を維持しながら、自分の主張を伝える」ことに特化しています。

    DESC法の各要素は以下の通りです。

    • Describe(描写):客観的な事実や状況を伝えます。
    • Express(表現):その事実に対して、自分がどう感じているかを伝えます。
    • Suggest(提案):問題を解決するための具体的な提案をします。
    • Consequences(結果):提案を受け入れた場合と、そうでない場合のメリット・デメリットを伝えます。

    PREP法が一方的な説明に適しているのに対し、DESC法は双方向のコミュニケーション、特に人間関係が絡むデリケートな場面で効果を発揮します。

    例えば、あなたがチームメンバーの仕事の進め方に不満がある場合、いきなり「あなたのやり方は間違っています!」とPREP法で結論から伝えると、相手は反発するかもしれません。しかし、DESC法を使えば、以下のように円滑にコミュニケーションを進めることができます。

    • (D)「先週のレポートについてなんだけど、提出が締め切りを過ぎていたよね。」
    • (E)「そのせいで、僕たちの次の作業が遅れてしまって、少し困っているんだ。」
    • (S)「今後は、締め切りの2時間前までに提出してもらうことはできないかな?」
    • (C)「そうすることで、僕も事前に確認してスムーズに次の作業に移れるし、結果としてプロジェクト全体の進行が早くなると思うんだ。」

    このように、DESC法は「事実」と「感情」を分けて伝えることで、相手を責めることなく、建設的な解決策を話し合うきっかけを作ることができます。PREP法が論理を重んじるのに対し、DESC法は人間関係を重んじる、と考えるとわかりやすいでしょう。


    PREP法、SDS法、DESC法の文章構成例

    PREP法、SDS法、DESC法のそれぞれの特徴と使い分けを、以下の表にまとめました。この表を参考に、あなたの目的に合ったフレームワークを選んでみてください。

    フレームワーク 目的 構成 主な活用シーン
    PREP法 説得・提案 Point(結論)
    Reason(理由)
    Example(具体例)
    Point(結論)
    商談、プレゼン、報告書、提案メール
    SDS法 情報伝達 Summary(要約)
    Details(詳細)
    Summary(要約)
    会議の冒頭説明、ニュース記事、マニュアル
    DESC法 人間関係の調整 Describe(描写)
    Express(表現)
    Suggest(提案)
    Consequences(結果)
    チームメンバーへのフィードバック、クレーム対応

    これらのフレームワークは、それぞれ異なる目的を持っています。PREP法は「この製品を買ってください」というように、相手に特定の行動を促したい場合に特に有効です。一方、SDS法は「先月の売上は〇〇でした」という事実を伝えたい場合に適しています。そして、DESC法は「〇〇してくれてありがとう」というように、人間関係を円滑にしたい場合に適しています。

    どのフレームワークを使うべきか迷ったときは、まず「この話の目的は何か?」と自問自答してみてください。あなたの目的に最も近いフレームワークを選べば、より効果的なコミュニケーションが可能になるでしょう。

     

    6.PREP法を習得するためのトレーニング方法

    PREP法は、一度やり方を理解すればすぐに実践できるフレームワークですが、本当に使いこなせるようになるには、毎日の地道なトレーニングが欠かせません。このセクションでは、忙しいビジネスパーソンでも手軽に取り組める、PREP法を習得するための具体的なトレーニング方法をご紹介します。


    接続詞を意識する

    PREP法を自然に使えるようになるための第一歩は、論理的なつながりを示す「接続詞」を意識して使うことです。PREP法の各要素は、特定の接続詞と相性が良いです。これらの接続詞を意識することで、頭の中の思考が整理され、PREP法の型に沿った話し方や書き方が身についていきます。

    以下に、PREP法の各要素と相性の良い接続詞の例を挙げます。

    • Point(結論):まず最初に「結論から言うと」「私からは〇〇についてお話します」といった言葉で切り出しましょう。
    • Reason(理由):「なぜなら」「その理由は」「というのも」といった言葉で理由を述べます。
    • Example(具体例):「たとえば」「具体的には」「例を挙げると」といった言葉で具体例を導入します。
    • Point(結論):「したがって」「そのため」「以上から」といった言葉で、再度結論を繰り返して締めくくります。

    このトレーニングは、普段の会話や文章作成の際に、意識するだけで実践できます。たとえば、同僚に「今日のランチはカレーにしよう」と提案するときでも、「カレーにしよう。なぜなら、今日はスパイスが効いたものが食べたい気分だからだ。具体的には、駅前のインドカレー屋が美味しいと評判だ。だから、カレーにしよう。」といったように、PREP法を意識して話してみましょう。


    記事や本の内容を要約する

    PREP法を習得するには、情報をインプットするだけでなく、アウトプットする練習が不可欠です。そこでおすすめなのが、日頃読んでいる記事や本の内容を、PREP法を使って要約するトレーニングです。

    具体的な手順は以下の通りです。

    1. 結論(P):記事や本全体を通して、筆者が最も伝えたいことは何かを特定します。

    2. 理由(R):その結論を導き出すための、主な根拠や主張を抜き出します。

    3. 具体例(E):その根拠を裏付けるための具体的な事例やデータ、エピソードを探します。

    4. 結論(P):最後に、自分自身の言葉で、記事や本の内容を再度まとめます。

    このトレーニングは、情報を正確に読み取る力と、それを論理的に再構築する力を同時に鍛えることができます。さらに、この要約を誰かに話したり、SNSなどで発信したりすることで、アウトプットの質をさらに高めることができます。

    内閣府が発表している「国民生活に関する世論調査」の「情報収集の方法」に関する項目でも、インターネットや書籍からの情報収集が主流となっています。これらの情報をただ受け取るだけでなく、PREP法で要約する習慣をつけることで、あなたの知識は単なる断片的な情報ではなく、説得力のある「武器」へと変わります。


    日々のメール作成で練習する

    メールは、ビジネスシーンで最も多く使われるコミュニケーションツールの一つです。日々のメール作成を、PREP法のトレーニングの場として活用しましょう。メールの件名や本文をPREP法で構成するだけで、相手に伝わりやすい文章を書く練習になります。

    例えば、上司に業務の進捗を報告するメールを作成する際は、以下のように意識してみてください。

    • 件名:「【ご報告】Aプロジェクト進捗について」など、結論がわかるようにする。
    • 本文冒頭(P):「Aプロジェクトの進捗についてご報告いたします。〇〇のタスクが完了しました。」と、最初に結論を提示する。
    • 本文中盤(R/E):「完了した理由は、先日のミーティングで決定した〇〇の対応策を実行したためです。具体的には、△△のデータ収集に注力したところ、見込み客の反応が予想以上に良かったです。」と、理由と具体例を簡潔に書く。
    • 本文末尾(P):「今後もこの方針で進めてまいります。」と、今後の行動を再確認して締めくくる。

    このように、メールの文章構成を意識するだけで、相手はメールの目的や内容を瞬時に理解できるようになります。結果として、コミュニケーションのスピードが上がり、仕事の効率も向上するでしょう。

    これらのトレーニングを継続することで、あなたはPREP法を意識せずとも、自然と結論から話し、論理的に説明できる人になることができます。これは、ビジネスパーソンとして大きな強みとなり、あなたの評価を高めることにもつながります。

     

    まとめ

    本記事では、PREP法の基本的な使い方から、応用、トレーニング方法までを解説しました。PREP法は、結論から論理的に伝えるための強力なフレームワークであり、ビジネスシーンにおけるあらゆるコミュニケーションを円滑にします。

    記事のポイントを以下にまとめます。

    1. PREP法は結論から話す型である
    2. 説得力のある伝え方が身につく
    3. ビジネスシーンでの応用が可能である
    4. 他のフレームワークとの使い分けが重要である
    5. 継続的なトレーニングで習得できる

    PREP法を習得すれば、あなたのコミュニケーションは劇的に改善され、ビジネスの成果にも繋がります。もし、PREP法を活用した営業組織の強化や、セールスイネーブルメントについてより詳しく知りたい方は、ぜひWEEVAまでお問い合わせください。

  • Hello world!

    WordPress へようこそ。こちらは最初の投稿です。編集または削除し、コンテンツ作成を始めてください。